特設
2025.01.08
南極日記12/30(24)
定着氷に入ってからは、ずっと晴天だったのですが、久しぶりの曇天です。
オーストラリアも日差しが強かったですが、南極はさらに日差しが強く、日焼け止めは3時間おきに、外に出る時はサンガードが欠かせません。それは美白どうこうという話ではなく、日焼け止めを塗り忘れたまま外にいたら、真っ赤に日焼けし、焼けただれることもよくあるからです。
さらに目を守るためにも、外に出る時はサングラスを常にします。
ここ数日は晴天続きだったので、日焼けもそうですが、日差しが強すぎてかなり暑く感じました。
そういう意味では、今日の曇天はありがたい一面もあります。
今日は荷物運びのお手伝いと基本観測棟で気象庁所属の隊員に観測の実際について取材してきました。
昨日、ラジオゾンデの放出の様子をお伝えしましたが、今日は膨らませる前の気球や観測機器を見せてもらったり、実際に気球にヘリウムガスを入れて膨らませているところも見せてもらいました。
毎日、世界中で同じ時刻に、この気球を放出しそこから得られた気象データを国際機関が集約し、より精度の高い天気予報に役立てているそうです。
北海道でも札幌と稚内で同じように気球を放出しているそうです。
そのほか基本観測棟の屋上にあるたくさんの観測機器で日射量や日射時間、太陽から放出されている紫外線の量や、オゾンやエアロゾルの量などを計測しています。
さらに氷雪面で太陽の光をどれ位跳ね返しているのかを計測する機器があったり、雪の結晶を撮影するカメラがあったりするなど、とても興味深いお話を伺うことができました。
こうした気象観測は陸地の少ない南半球では観測できる場所が少なく、とりわけ南極はごく限られた場所しかないため、昭和基地での観測は地球全体の自然環境を俯瞰して捉えることに大きく寄与しており、地球規模での重要な仕事に取り組まれている様子がよく分かりました。
今日はこの後、第65次越冬隊の居住区で歓迎会を兼ねた夕食会に招かれています。
現在は昭和基地時間の12/30 16:40です。