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南極日記1/11(36)

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2025.01.22

南極日記1/11(36)

今日は当直でした。 ここ昭和基地の生活でも、学校の日直のような仕事があります。 仕事内容は次の通りです。 ○6時に食堂に行き、コーヒーとお茶をポットに準備する。朝食の内容によっては配膳もする。 ○観測隊が全員、朝食をとったのを確認したら、自衛隊の調理隊員に報告する。 ○食後のテーブル拭き。 ○第1・第2夏宿舎の掃除 1階、2階の公スペースの掃除、トイレ掃除、玄関掃除、外回りの掃除、第2宿舎の男子トイレのポリタンクにたまっている小便を汚水処理施設に運ぶ。 ○ゴミだし 分別し、軽トラでゴミ処理施設に運ぶ。 ○空き缶潰し ○11時半に食堂に行き、コーヒーとお茶をポットに準備する。昼食の内容によっては配膳もする。 ○観測隊が全員、昼食をとったのを確認したら、自衛隊の調理隊員に報告する。 ○食後のテーブル拭き。 ○17時半に食堂に行き、コーヒーとお茶をポットに準備する。 ○観測隊が全員、夕食をとったのを確認したら、自衛隊の調理隊員に報告する。 ○食後のテーブル拭き。 ○翌日の喫食数の確認をする。 ○日誌を書く。 ○引継ぎ。 これを二人で、やります。   話は変わって、今、昭和基地では新しい夏宿舎を建設しています。 66次では、2階部分作っています。 完成は数年後ですが、夏にしかできない作業なので、担当隊員は時間に追われながら作業を進めています。   1/11 22時      

南極日記1/10(35)

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2025.01.22

南極日記1/10(35)

昭和基地夏宿舎では、昨日の午後に渇水になり、蛇口をひねっても水が出なくなりました。 シャワーはおろか手荒いも、歯磨きもできません。 最近の日本では通常時では、なかなかこういうことはなくなりましたので、気持ちとしては災害時のような感じです。 今は、ようやく歯磨きや洗顔はできるくらい回復し、1日半ぶりに顔を洗っただけで幸せな気持ちになりました。 そんな中、午前中、環境保全隊員の仕事に密着取材してきました。 皆さん、「環境保全」というとどんな仕事をイメージするでしょうか❔ 南極地域観測隊の「環境保全」とは、ゴミの処理や排泄物、生活排水といった汚水処理のことです。 まずゴミの焼却炉に行きました。生ゴミを炭に、可燃ゴミを灰にします。 昨日1日で出た生ゴミは150kg程度。これを機械にかけて炭化したことで45kg程度になりました。 まず一気に脱臭室を高熱にすることで臭いがしなくなり、そこから加熱室や減量室の温度を上げて、八時間くらいで写真のように炭にします。 この炭はドラム缶に入れ、「しらせ」に積み、日本に持ち帰ります。 可燃ゴミは灰にし、これも日本に持ち帰ります。 南極には一切ゴミを残さないことになっているので、燃やせないゴミも大型ゴミもすべて「しらせ」に積んで日本に持ち帰ります。 さらにゴミを炭や灰にする時も有害物質で大気を汚さないよう、気象庁の隊員に機械を作動するタイミングを確認してから作業します。   次に汚水処理棟に行きました。多分、ここが昭和基地で一番「臭い」場所です。 人間の排泄物(小便、大便)や生活排水を、自然に返しても害が出ないレベルにまで処理し、海に流します。 汚水処理は機械がしますが、きちんと処理されているか、それぞれの段階ごとに成分をチェックするのは人間がします。 もちろん、機械が不調な時は修理もします。 見ていても大変な仕事ですが、人間が生きていく上では必要不可欠な仕事です。   南極は少ない人数で、生活していくために必要な仕事をこなしているので、社会の縮図です。 日本にいる時には見えない仕事も、見えてきます。 ゴミの日に、自宅のゴミをステーションに出すことで、きれいにしたという気持ちになりますが、それはただゴミが移動しただけで、無くなったわけではありません。 必ず誰かが、それを処理してくれているということを忘れてはいけないと強く思いました。 お金を払えば済むという考えは、南極では通用しませんが、それは日本でも同じはずです。 お金を払ってるんだから、やってもらって当たり前という感覚は払拭し、感謝の気持ちをもつこと、また自分は社会にどんな貢献をするのか(できるできないではなく、するかしないかという自己決定が必要)ということを意識する、こういった資質を自分も子どもたちにも身に付けていきたいと思ったところです。   1/10 13:30 昭和基地第1夏宿舎より      

南極日記1/7(32)

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2025.01.08

南極日記1/7(32)

 朝のうちに、「しらせ」から昭和基地に戻る予定が、強風のためヘリが遅延し、「しらせ」で昼食をとってから、昭和基地に戻りました。  「しらせ」でのランチは鶏肉メインで、昭和基地での晩御飯は豚肉メインでした。  昭和基地に戻って、すぐ、基本観測棟に行き、週一回飛ばすオゾンゾンデの放球を取材してきました。  毎日飛ばすラジオゾンデと比較して、かなり大きい気球だということが分かると思います。  違いについては、1/30の南極授業の中で気象庁の方に説明していただきますので、楽しみにしていてほしいと思います。  ここ数日、バルク輸送で「しらせ」から昭和基地に一年分の燃料を運んでいました。隊員や自衛官たちはシフトを組み、1日中作業をしていました。  このほか、夜中には気温が下がり海氷がしまるので、雪上車で大量の物資を運んでいました。  国立極地研究所のwebにあるリアルタイムの昭和基地19広場の様子ですが、今は広場に青いコンテナがあるのが見えると思います。  コンテナの数もとても多いので、一時的にここにも置いているようです。  昼夜問わず作業ができるのも、白夜だからということと、隊員や自衛官の頑張りによるものです。  1/7 21:50 昭和基地第1夏宿舎より

南極日記1/5(30)

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2025.01.08

南極日記1/5(30)

 スカーレン2日目。  野外観測での食事は、当然野外炊飯です。  日本と違うことは、食材や汁、調理で出た水分などの一切を捨てることはできないということ。  野外糧食は事前に切り分けて冷凍したものを、チームの担当者が見繕って用意するのですが、今回はちょっとしたハプニングがありました。  担当者が当初、私たちに説明していたメニューに必要な食材を別の段ボールに入れ、冷凍庫に置いてきてしまったのです。どうしようと途方に暮れていたようなので、ここは私に任せて!と、持ってきた食材を①余さない、②汁などが出たとしても使い切る、③温かくて美味しいの3つの条件を考慮し、ポトフとジャーマンポテト(昨日の晩ご飯)を作りました。  そして、今朝は残った野菜と調味料でスープと、挽肉をいため、カレー粉で味付けしたものを作り、炭水化物については、おやつ用のホットドッグと今川焼きにしました。  普段、重たいものを持ってもらっているので、せめてもの恩返しです。「南極料理人」と呼ばれて、ちょっと浮かれている私です(笑)  そして、今日はヘリコプターに着陸位置を知らせる信号発煙筒のピンを抜く仕事をしました。写真のようにオレンジ色の煙がもくもくと出て、ヘリに位置を知らせます。  最高の自然の中、いろいろな経験ができて、充実した二日間でした。  今日は、迎えにきてくれたヘリに乗り、そのまま「しらせ」に帰ってきました。  久しぶりに、ゆっくりお湯に浸かり、疲れがとれました。  ※最後の写真はアニメ「宇宙よりも遠い場所(よりもい)」のキャラクターと。  1/5 21時 しらせより

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